ホイールローダーの油冷式ウェットディスク部品を販売。カタログが無い場合には有料にて販売もしています。全メーカーの部品を全国にお届け。

一般の方、同業者の方などどんな方でも部品のご相談をお受けします。

1. 油冷式ウェットディスクとは？仕組みと役割を知る

油冷式ウェットディスクは、油圧で冷却されたブレーキシステムの一種で、ディスクプレートがオイル中で摩擦力を発生させ、安定した制動力を得る仕組みです。油冷により高負荷条件でも温度上昇を抑え、過熱による効きの低下を防ぎます。ホイールローダーでは荷重や斜面条件でブレーキが連続使用されるため、耐久性と制動安定性が高いこの方式が適しています。

2. ブレーキが効かない・オイル漏れの原因を探る

下記の症状はディスク部品の不具合が疑われます：

• 🔧 ブレーキペダルを踏んでも制動力が弱い・後続停止距離が延びた
• 🛠 操作中のかすかなオイル漏れ・にじみが見られる
• 🌡 高負荷後のオイル温度が著しく高い
• 👂 歯切れのない音、独特の「キュッ」「シュッ」という音

原因はシールの摩耗やディスク摩耗、冷却オイル経路の詰まりなどがあり、早期点検を行うことで大きな事故や納期遅延を防ぐことが可能です。

3. 新品・中古ディスクの違いと選定ポイント

選定時は次の点を重視してください：

• 摩耗厚み：新品の公差仕様に対して中古は摩耗幅がどれほどか
• 歯面摩耗・ひび割れ：ディスクの摩耗状態を目視でチェック
• シール状態：オイルシールにヒビ・硬化がないか
• 冷却回路封入状態：汚れ・詰まりがないか確認
• 再整備履歴：中古品であれば研磨・クリーニング歴とテスト済か

新品は品質が安定していますが、コストを抑えたい場合は整備・テスト済みの中古を選ぶことで費用対効果を高められます。

4. 交換時に注意したい点と作業フロー

スムーズな交換を行うために、以下の手順を守りましょう：

• 油圧を抜き、車体やシステムへの影響を遮断する
• ホイールとディスクを分離し、汚れや異物を除去
• ディスク交換後、トルクレンチで規定締め付け
• シール・Oリングは同時に交換し、圧力テスト実施
• 冷却オイルを規定量／規定仕様で再充填
• 試運転し、制動・油圧・漏れの最終確認

この手順を守ることで、交換後の性能や寿命を最大限引き出せます。

5. 実際の導入例と交換後の改善効果

事例：H社ではブレーキ効きが弱くなり作業時間が遅延していたため、油冷式ディスクを新品で交換。結果、制動距離が20％短縮され、油温も安定し、オイル漏れも解消されたことでメンテナンス頻度が削減されました。

また、I社では整備済みの中古ディスクで同等性能を確保しながら費用を新品比約50％に抑え、3回分の交換が可能になりました。

6. 安全運用を支える点検・メンテナンス習慣

劣化を早期に発見し寿命を延ばす方法：

• 導入後50時間点検で油圧と制動力を確認
• 100時間ごとのディスク摩耗・冷却オイルの状態観察
• オイル交換はメーカー指定に従い定期実施
• 異音・漏れが発生したら即時ログ記録と再点検

これらをルール化することで、部品寿命と現場安全性を格段に向上できます。

まとめ｜ブレーキ性能維持の鍵は「適切な部品選定と交換施工」

対応項目	対策
油漏れ・効き甘さ発見	即交換＆圧力テスト
部品選定	新品=保証＋精度／中古=整備履歴＋低コスト
施工のポイント	清掃＋トルク管理＋圧力確認
点検ルール	50h/100h＋オイル交換＋ログ管理

油冷式ウェットディスクはホイールローダーの安全運転に直結する部品です。油量や漏れ、効きに違和感を感じたら即対応し、部品選定・交換施工・点検の三本柱で現場の安全稼働を守りましょう。